エコジョーズとはどのような給湯器?
コストを抑えて環境への負荷も少ないエコジョーズ。ではどういった点で、他の給湯器と仕組みが異なっているのでしょうか?
エコジョーズの仕組み
これまでのガス給湯器は、給湯器内の熱交換器の配管をガスバーナーで熱することによって、中の水を沸騰させています。この時、配管から約200度にも達する熱が排出されていきます。エコジョーズも、基本的には従来の給湯器と同じように、バーナーを使って配管を熱するのですが、エコジョーズでは1次熱交換器と2次熱交換器という2つの熱交換器を備えています。1次熱交換器はバーナーを用いてお湯を沸騰させ、2次熱交換器では排熱を利用して水を温めます。今まで利用されていなかった熱を利用することで、お湯を温めるため効率が高く、また沸騰に要するガスの量も少なくて済むのです。なお、エコジョーズで排出される熱は約50度と、従来の給湯器と比べて低くなっています。
エコジョーズはどの点がエコなの?
排熱を利用して急騰するエコジョーズ。その急騰熱効率は、従来のガス給湯器が80%程度なのに対して約95%。効率よくお湯を作れるため使用するガスの量も少なく、約13%(メーカー・機種によって差が生じる可能性があります。)の削減となります。当然のことながら、使用するガスの量が少なければ排出されるCO2の量も削減されるので、こちらもやはり13%程度の削減となります。
もちろん、効率よくお湯を作ることができれば、ランニングコストも低くなりますので、エコジョーズは、「地球環境にもお財布にも優しい給湯器」と言うことができるのです。
エコジョーズと従来型の給湯器のコスト比較
では実際にエコジョーズを導入した場合、従来のガス給湯器と比べ、毎月のガス代はどのくらい削減できるのでしょうか。
ガス給湯器のコスト比較
エコジョーズで削減できるガスの量は15%ほど。例えば、毎月のガスの使用量が6,000円程度のご家庭では、給湯のためのガスの費用は4,800円ほど。その15%ですから、毎月720円程度のコスト削減につながると考えられます。
なお、給湯器そのものの本体価格としては、従来型の給湯器が4万〜12万円ほど、エコジョーズは6万〜15万とややエコジョーズの方が高い傾向にあります(設置費用は含まれません。また価格はポチッと住まいるご依頼いただいた場合の限定価格となります)。
エコジョーズへの交換によって、ガス代の削減をご検討中の方は、まずはご家庭のガス料金からどのくらい、毎月の費用が割安となるのかをお調べいただいた上で、おおよそどのくらいの年数で削減されたコストで、設備費での差額の元がとれるのかを確かめてみましょう。
もちろん、エコジョーズでは給湯に使用するガスの量が多いご家庭ほど削減されるコストも大きくなります。
エコジョーズはこんなご家庭におすすめ
エコジョーズによってコスト削減の恩恵を多く受けられるのは、ガスを頻繁に使うご家庭です。下記のようなライフスタイルをお送りの方であれば、エコジョーズへの積極的な交換をおすすめします。
- 2世帯など、家族が多いご家庭
- ガスを使用する温水床暖房を設置している
- シャワーではなくお風呂を好み、1日に複数回入浴するようなご家庭
- 複数の浴室を設けているご家庭
なお、エコジョーズのメリットを感じにくいのは下記のようなご家庭です
- シャワーのみの入浴習慣のご家庭
- 一人暮らしの方
- 賃貸などのオーナー
エコジョーズの注意点
環境や家計に優しいエコジョーズですが、いくつか設置にあたっては注意すべき点もあります。導入をご検討中の方はこちらも併せてご覧ください。
ドレン排水工事が必要になる場合がある
エコジョーズは給湯時に排熱を利用しますが、この過程で「ドレン水」と呼ばれる結露が発生します。このドレン水はそのまま、給湯器外に排出することが許されていないため、雨水や汚水を捨てる場所まで、排水用パイプを引く工事が必要となります。このドレン排水の工事には1万〜2万円程度の費用が必要ですが、集合住宅などのパイプスペース(PS)内で作業をしなくてはならない場合は、2万〜3万円ほどの費用が必要となることもあります。なお、集合住宅のPS中には、ドレン工事自体ができない場合もありますので、まずはリフォーム業者に確認を取るようにしましょう。
10年に一度、中和器の交換が必要
エコジョーズで発生するドレン水は、酸性の性質を持っており、炭酸カルシウムで中和してから排出しなくてはなりません。この中和を行うのが中和器であり、エコジョーズに標準的に取り付けられています。なお、この中和器の寿命は10年とされており、10年ごとに交換をしなくてはなりません。この交換には2万〜5万円ほどの費用が必要です。
エコジョーズの寿命と代表的な不具合
エコジョーズの導入によって生じる費用は、給湯器の種類や使用頻度によって異なりますが、概ね3〜10年ほどで元が取れるようになることが多いようです。なお、標準的な使用をした場合エコジョーズの耐用年数は10年程度とされており、15年程度で寿命を迎えるとされていますので、多くのご家庭で交換費用の差額は回収できることでしょう。
なお、耐用年数を超え劣化が見られるようになってきたエコジョーズに起こる可能性のある不具合は以下のようなものとなります。
- 異音がする
- 異臭がする
- 中和器の故障
- パッキンの摩耗
エコジョーズのこうした経年劣化による不具合の修理費用は7,000円〜17,000円程度。また先述の通り、10年をめどに中和器は交換しなくてはなりませんので、10年を超えて不具合が頻発する場合は、修理ではなくエコジョーズそのものの交換を視野に入れて検討するのも一つの方法です。
エコジョーズを導入・交換するための費用は?
エコジョーズの選び方
まずは性能を確認する
エコジョーズには、【給湯専用】【オート】【フルオート】の区別があり、それぞれおこなえる機能が異なっています。
【給湯専用】
給湯専用は、お湯はりのみが可能です。いくつかの機種によっては、お湯はりを自動でストップ機能がついているものもあります。
【オート】
オートは、お湯はりとお湯のストップが可能。さらに自動で追い焚きができる機種も存在しています。
【フルオート】
フルオートの場合は、お湯はり、お湯の自動ストップ、自動追い焚き、足し湯、配管の自動洗浄などに対応しています。
最も機能が充実しているのがフルオートですが、その分費用もやや高額になる傾向があります。機能を確認の上で、ご家庭の事情に合わせたものをお選びください。
エコジョーズの号数を選ぶ
機能を確認したら次は、エコジョーズの号数を選びましょう。号数は給湯器が給湯できる量を示しており、代表的なものに【16号】16L /分、【20号】20L /分、【24号】24L /分があり、これらは使用人数ごとに適したものを利用することが推奨されています。なお、それぞれの号数に応じた、適切な人数は以下の通り。
- 【16号】一人暮らしの住まいを想定したサイズで主にお風呂の給湯のみを行う
- 【20号】2人家族を想定したサイズで、頻繁かつ大量のお湯の使用を行わない家庭向け
- 【24号】4人以上の家族を想定したサイズで、浴室・キッチン・追い焚きなども可能
最後に住んでいる地域に合わせたものを選ぶ
給湯器には地域によって対応している機種が存在しています。
雪の多い場所や底冷えのする地域では、「寒冷地仕様」のエコジョーズ、沿岸近くや海風の強い場所であれば「対塩害仕様」のエコジョーズを選びましょう。適していない環境のエコジョーズを選んでしまうと、故障の原因となってしまうこともありますので、ご家庭の立地とエコジョーズの仕様を照らし合わせながら選ぶようにしましょう。
ガス給湯器からエコジョーズへの交換費用
現在ガス給湯器をご使用のご家庭がエコジョーズに変更する場合、本体価格に加えリモコン代、さらに標準工事費が必要になります。これらの費用の相場はおおよそ20万〜45万円程度となります。また、ドレン排水の費用は1万〜2万円程度となります。
耐用年数を過ぎたエコジョーズの交換費用
耐用年数を超えたエコジョーズを買い替える場合の費用は、エコジョーズの機種によって異なりますが相場としては、15万円〜30万円程度です。こちらも給湯器の本体価格に加え標準工事の費用が含まれています。
まとめ
人気の高いエコジョーズは地球環境のことを考える方にも、ガス代を抑えたいと考える方にもおすすめです。また昨今では、ガス資源の不足や価格高騰の影響も進んでいますので、エコジョーズの活躍の機会はさらに広がっていくことが予想されます。皆様も、この機会にエコジョーズへの変更を行ってみませんか?「ポチッと住まいる」では、インターネット上から気軽に皆様のご要望に合わせたお見積りを算出することが可能です。従来のガス給湯器からの変更などをご検討中の方は、まずはこのお見積りを活用してみてはいかがでしょうか。