節水トイレはどのくらい節水できるの?
近年「節水トイレ」という名前を聞くことが多くなりました。しかしこの「節水トイレ」には明確な定義や基準などがあるのでしょうか。
節水トイレとは?
「節水トイレは、一般社団法人 日本レストルーム工業会という組織によってその基準が定められており、洗浄時に使用する水が8.5L以下のものはI型、6.5L以下のものをII型と言われています。
なお、2023年現在では一回あたりの使用水量は、「大」で約4L、「小」で3.5Lほど。節水トイレは、洗浄時に使用する水の量を少なくするために、洗浄する水の水流を渦状にしたり、便器の表面を汚れが付着しにくく、少ない水流でも落ちやすい素材とするなど各所に工夫が凝らされています。
生活用水にかかるトイレの水の割合
なお、私たちが各家庭において日常生活で使用する水の中で、便器の洗浄に使用される水の割合は約22〜24%程度。地域などによって水道料金は異なるものの、1Lあたりの水の費用は0.1〜0.4円ほど。平均をとって0.2円とした場合、節水トイレで水の量を3L削減することができれば、0.6円。
人は1日あたり5回ほどトイレを使用しますので、1人あたり1日3円。4人家族であれば1日12円、1年では4,380円の節約となります。
また、節水トイレは単純に水道代の節約になるだけでなく、使用される水を削減することによって環境保全にも貢献できますので、こういった観点からも交換をおすすめします。
過去のモデルと比べてどのくらいの節水ができるの?
節水トイレの節水効率は、日進月歩で進化しています。その進化の様子について、各年次ごとの洗浄水の使用量から見ていきましょう。
過去のトイレの水使用量の変化
まだ日本の水洗トイレの多くが和式であった1975年以前、1回の便器洗浄で使用される水は13〜20Lと非常に大量でした。これが大きく改善されたのは1993〜4年ごろで、8.5Lほどまで削減されていきます。2000年代に入ると多くの便器が節水対応となっていき、この頃は6Lほど。2010年代には5Lを下回る商品も多くなり、2010年後半には3.8L程度のものが主流に。実に40年で使用する水の量は1/4ほどになっているのです。
では現在の各社の代表的なトイレの節水効率はどの程度なのでしょうか。今回はトイレの形状(タンクレス・一体型・組み合わせ便器)それぞれで比較しています。
交換費用と交換時の注意点について
トイレ交換時の注意点
■製品のタイプに注意
節水トイレには「壁排水」と「床排水」の2種類が存在します。
壁排水は集合住宅に多いタイプで、壁に排水管を通して水を流すもの。床排水は戸建に多いタイプで床下に配管を通して水を流すものとなります。床排水よりも、壁排水の方が水量が多くなる傾向にあり、また製品そのものも異なることがあります。製品選びの際は現在のトイレがどのタイプかを確認した上で適切なものを選びましょう。
製品タイプについてはこちらで詳しく紹介しています。
トイレ 給排水の種類と室内寸法の確認
■節水トイレの特徴を知ろう
節水トイレは過去のトイレよりやや詰まりやすい傾向にあります。とはいえ、過度にトイレットペーパーを使用したり、推奨されないものを流さない場合はそれほど気にする必要はありません。それでも習慣的にトイレットペーパーを多く使ったり、排泄物が多い方がいらっしゃるという場合は、トイレの機能として水量を変更できるタイプがありますので、こういった製品を選ぶようにしましょう。
節水トイレに交換する際の費用目安
従来型のトイレから節水トイレへ交換する場合に必要となる費用は、おおよそ10〜40万円程度。便器本体の費用は、スタンダートなもので8万円〜、ハイクラスのものでは30万円程度となりますので予算に合わせて選ぶようにしましょう。
まとめ
環境にもお財布にも優しい節水トイレですが、設置・交換にはいくつか注意しなくてはならない点も存在します。トイレに不具合が生じた場合、すぐに交換したいと考えるのはごく自然なことですが、交換の段階や実際に使用してから不具合を感じてしまうことのないよう、施工を依頼する際には、リフォーム会社などにしっかりと確認をするように心がけましょう。
ポチッと住まいるでは「トイレ見積り依頼ページ」より、今ご利用中のトイレの写真(複数枚)や、ご利用状況などをご入力いただけると、後日お見積りメールをお届けすることが出来ます。トイレ交換をお考えでしたら、ネット見積りをご検討をください。